みどりの部屋

日々思うことを書いていきます

やりたい事を仕事にするために出来ないといけない事

こんにちは、みどりです。

最近気になるエントリーがあったので、この話題について書きたいと思います。

一撃必殺!急にマンガ家だの声優だの絵師だのになりたいと言い出した子どもや大人を止める、オススメの方法 - Togetterまとめ

クリエイティブ方面で好きな事、やりたい事を仕事にするためには、出来なくてはならない事がたくさんあります。上に記載したリンクの記事にもあるように、スタートラインに立つための明確な達成基準の1つとして「作品を作り、世に出すこと」は重要なことです。

「やりたいことがある!」と言うのは簡単です。
やりたいの程度が1でも10000でも、やりたいという事実には変わりありません。

しかし、それを仕事にすることは別の話です。例えば、「漫画家になりたい」と言うのであれば、まず現実を見て、やらなくてはならない事を洗い出す必要があります。
漫画家になるためには、「毎日必ず原稿に向かうことができるのか?」「締め切りを守ることができるのか?」など、クリアしなくてはならない様々な問題があります。さらに、デビューする事を前提に考えるなら、当然ある程度の画力は不可欠です。

ではこれらの問題は専門学校に行けば解決するのでしょうか?

答えは否です。

専門学校に行くことで得られるものなんて、せいぜい絵が上手くなる可能性があること、卒業後のコネができる可能性があることくらいです。学歴として専門卒という肩書きは残るものの、たいていの場合、何の役にも立ちません。
結局は行くだけでなく、行かなくても1人で自活できるモチベーションが必要不可欠なのです。
そして、自活できる人は専門学校に行かなくても技術力もコネも作ってしまうのです。

専門学校に行くのであれば、自活出来て普段から絵を描き続けているが、どうしても1人では補完できないことがあり、専門学校に行くことでクリアできることが明確である場合以外にはオススメできません。
先生に従っていれば自動的に素敵な作品が作れるようになるなんていうことはないのです。
なぜなら、先生たちの仕事は生徒を漫画家にすることではなく、あくまで手助けをすることだからです。


話は変わりますが、私はゲーム企画の仕事をしていますがDTMが趣味です。DTMとは、パソコンで作曲することです。
学生の頃はよくコミケやM3などの即売会で自作CDを頒布しており、海外からも出展の声がかかり国外でも活動していました。

作曲はもともと中学生くらいから始めていましたが、動機は「何か作りたい」ということでした。たまたま家にあったwin98に、たまたま見つけたフリーの作曲ソフト「テキスト音楽サクラ」をインストールしたことがスタートでした。
当時、音楽の成績は1か2、楽譜すら読めないしドレミファソラシドくらいしかわからないくらい音楽の知識はありませんでした。
しかし、フリーのMIDIピアノソフトで音階や和音を学び、少しづつ知識をつけていき、高校では軽音楽部に入りギターやドラム、ピアノをいじるようになり、楽器の知識もつけていきました。

大学に入りちゃんとした作曲ソフトを買い、本格的な音源を作ることができるようになりました。(それまではMIDIGM音源でしか作っていなかった)

普段から音楽を作るようになると、音源のストックが溜まっていきました。これがCDを出そうと思ったきっかけで、せっかく作ったものをゴミデータにしておくことがもったいなくなり、同時に人から感想をもらいたいと思うようになりました。

そして20歳の頃、即売会で始めてCDを頒布しました。

最初の音源は今聴くとかなりクソな出来なのですが、それでも買って下さった方、感想までくれた方もおり、この経験で初めて世に出したという実感を味わうことができたのです。
それからも継続して作り続け、そこで出来たコネがきっかけで海外からも声をかけていただくことができました。

そこまでやって、「なぜそれを仕事にしなかったのか?」、そう思われると思います。

理由は簡単です。
毎日それを繰り返し続けることができる自信がなかったのです。

大学在学中にに就活している時、某大手ゲーム会社のサウンド採用に応募しました。
説明会が行われた広い会場にはざっと500人ほどの志望者がおり、全員が作曲をしています。そして、この規模の説明会を複数回開催しているので、全体の志望者は少なくとも1000人は超えるでしょう。この中から1人だけ採用されるのです。

周りを見渡した時に、「ここにいる他のすべての人たちより、自分の方が熱意を持って継続的に作曲に取り組んでいけるのか?」と、ふと思いました。
私は作品の数もそこそこありますし海外でも実績がありました。ここまで実績を作っている人はそんなに多くないでしょう。

しかし、そんなことよりも「これから先40年間、作曲のことだけを考え続けることが自分にできるのか?」と向き合った時に、出た答えは「NO」だったのです。

確かに、作曲が好きで作品も出しましたし、実績もあります。しかし、それを仕事にすることは同軸で考えてはならないと思ったのです。
好きこそ物の上手なれ、とはよく言いますが、さらにそれを仕事にするためにはまた別の才能が必要だと思いました。


これからクリエイターを目指す方は、まず自分が好きなことで世に作品を出してください。それがはじめの一歩です。
それすらできずに、やりたいやりたいと言うだけであぐらをかいてる人を私はたくさん知っています。
彼らに共通して言えることは、言い訳をすることです。「時間がない」「まだ上手くないから」など言い訳は多様ですが、まず出さないと何も進みません。
今の世の中、パソコン1つで世界に向けて作品を発信できてしまう世の中です。これほど恵まれた環境であるにもかかわらず何もできない人は、おそらく一生何もしません。

まずは下手でも良いです。
とにかく作品を出しましょう。
そして作り続け、出し続けましょう。